私の住んでる町は漁師町!

私の住んでる町は漁師町。
吹きわたる風には、潮の匂いが漂っています。
狭い路地をはさんで、軒を突き合わせるように家が建つ。
向かい合わせの近所同士で、隣り合わせの家同士で、ごはんやおかずのやり取り。お酒の貸し借り。一升瓶があっちへ行ったり、こっちへ来たり行き交っている。
お返しは日本酒一本。

笑顔がこぼれてワイガヤガヤ。
その漁師町が一年中で一番にぎわう時があります。
金比羅さんの秋祭り。漁師の神様は金比羅さん。
女性たちはごちそうを作り、男たちは祭りの飾りつけをする。
その日は、みんな漁を休んで、八幡様にお参りをします。
無事を感謝をして、神事が終われば、直会(なおらい)と呼ばれる大宴会。
男も女も大人も子供も、地区のみんなが総出で大酒盛りです。
ビールも飲むけど、主役は日本酒。
日本酒はこの町の漁師の定番。
子供以外はみんな飲む。
お酒はもちろん、この日のために注文して“金比羅さん”の名前を入れた
“お神酒”の祝い酒です。
この日は、漁のことを忘れて、一日中飲み過ごします。
さあ!今夜もすべてに感謝して“乾杯”。