総務部総務課(2)
地方のある建設会社。
田中覚、34歳。
私の所属は総務部総務課。
今日は雨。
時折、強く降る雨に、窓越しに見える魚市場の岸壁も、もやがかかったようにかすんで見える。
こんな日の、工事現場のみなさんのご苦労を思うと胸が痛みます。
上司から現場監督に、雑費用の現金を届けるように指示されて、60キロほど離れた河川工事の現場事務所へ、車で向かう。
途中のコンビニで、上司から頼まれた差し入れ用にと、ジュースを購入した。
工事現場近くに着くと、ぬかるんだ駐車場に車をとめた。
事務所の中には誰一人いません。
こんな雨に中でさぞかし大変だな、と思いながら、関係者以外立ち入り禁止、と書かれた立て看板の横をすり抜けていく。
いざ、現場に入ってみると誰もいない。変!!
すわっ、何か事故でもあったのか?今度は不安と心配が胸をよぎる。
ぬかるみの中を、水たまりを避けながら、次に向かったのは、飯場と呼ばれる作業員宿舎。
そこで見たのは“マージャン大会”
職員、作業員入り混じって、10数人の男たちが数台のマージャン卓を囲んで、笑顔でワイワイ、ガヤガヤやっている。
へぇーどこから、こんなに卓を調達してきたの?なんで今遊んでるの?
現場監督いわく“雨の日は明日に備えて英気を養うに限る”と。
その言葉に、納得したやら、しないやら。
差し入れのジュースの袋を持ったまま、しばらく立ちすくんでいました。
帰りの車中での気持ちは複雑でした。
(続きは、またいつか発信します)