宇宙の一粒

暑い夏の間に、セミの声が油蝉からつくつぼうしへと衣替えをはじめています。

セミは土の中に7年いて、地上に出てくると、わずか一週間精一杯鳴いて、死んでゆきます。かげろうは羽化して一日で、その命を終えます。

その間に相手を見つけて、命をつないで消えてゆきます。トンボだって、鮭だって生命の長い、短いはあっても、生まれて、生きて子孫を残して去っていきます。人も同じ。それを人は、昆虫を虫けらと笑い、ほかの人より権力があるとか、地位が高いとか、学歴がいいとか、他を蔑んで、とかく自らを特別なように表現したがります。

でも、広い宇宙とに比べたら、人の一生はほんの一瞬、まばたきもないくらいの出来事。米一粒にも満たない一生。そんな中で、争い、競い、泣き笑って暮らしている。

比較すると、長い、短い。大きい、小さい、あるとか、ないとかになるけれど、そんなこと関係ない!比較なんか関係ない!自分なりに、その一日を精一杯頑張れたら、それでいいと思います。広い宇宙の流れの中で、ゆったりと、ゆっくりと。自分なりに。